飲酒運転規制の二つの型
BAC基準の違い
飲酒運転制度は国ごとに細かく異なるが、制度構造として見ると大きく二つの型に分かれる。
1 規制が厳しい国
2 比較的緩い国
この違いは主に 血中アルコール濃度(BAC)基準に現れる。
代表的な基準値
0.00% 完全禁止
0.02%
0.03%
0.05%
0.08%
数値が小さいほど規制が厳しい。
規制が厳しい国
ほぼ飲酒不可の制度
この型では、制度上ほとんど飲酒運転が認められていない。
代表的な国
・日本
・韓国
・中国
・スウェーデン
・ノルウェー
・チェコ
・ハンガリー
制度の特徴
・BAC基準が0.00〜0.03%
・行政処分が重い
・刑事罰が強い
国別基準
日本 0.03%
韓国 0.03%
中国 0.02%
スウェーデン 0.02%
チェコ 0.00%
このレベルでは
ビール1杯でも違反になる可能性がある。
制度の発想は
「飲んだら運転しない」
という分離型の交通文化。
公共交通や代行などの制度もそれに合わせて発達する。
比較的緩い国
食事中の飲酒を前提とする制度
もう一つの型は、一定の飲酒を許容する制度。
代表的な国
・フランス
・ドイツ
・イタリア
・スペイン
・イギリス
・アメリカ
・オーストラリア
基準値
0.05%または0.08%
国別例
フランス 0.05%
ドイツ 0.05%
イタリア 0.05%
イギリス 0.08%
アメリカ 0.08%
この制度では
ワイン1杯
ビール1杯程度
は制度上許容される可能性がある。
制度の背景には
・食事とアルコールの文化
・都市と郊外の交通構造
・歴史的な交通制度
などがある。
ヨーロッパでは
食事とワインが生活文化に組み込まれているため、完全禁止型ではなく 許容型制度が採用されている。
制度と社会構造
規制強度だけでは説明できない
飲酒運転制度は単純に厳しさの問題ではない。
例えば
アメリカ BAC 0.08%
フランス BAC 0.05%
日本 BAC 0.03%
しかし飲酒運転事故の割合は、必ずしもこの順序に並ばない。
影響する要素
・取締り頻度
・交通文化
・公共交通
・都市構造
つまり
制度の数値だけではなく、社会全体の交通システムの中で位置づけられている。
飲酒運転制度は法律の問題というより
・都市構造
・生活習慣
・交通制度
の組み合わせの結果として形成されている制度といえる。