TCI-VENTURE AWARD 2025 スタートアップ部門に参加しました つくば発ディープテックピッチイベントでの体験と学び
2025-12-05
つくばで開催された「TCI-VENTURE AWARD 2025」に参加しました。
華やかなスタートアップイベントというよりも、技術と事業のあいだにある現実を、静かに突きつけられる場だったように思います。
研究開発を起点に事業を続けていくことの難しさと向き合いながら、このイベントで感じたことを簡単に書き留めておきます。
1. イベント概要
2025年12月5日、つくば研究支援センターにて開催された「TCI-VENTURE AWARD 2025 ファイナル スタートアップ部門」に参加しました。
本アワードは、つくば研究支援センターが主催するスタートアップ・ピッチイベントで、ディープテックや革新的な事業アイデアを持つスタートアップ企業が一堂に会し、事業化・社会実装の可能性を競う場です。
茨城県内を中心とした起業家や研究者、投資家、支援者が集い、技術とビジネスが交差する瞬間を体験しました。
イベントは会場参加とオンライン視聴の両方が可能で、スタートアップのピッチは午後から開始し、プレゼンテーション、質疑応答、交流会、そして表彰式へとプログラムが進行しました。
登壇スタートアップの紹介
スタートアップ部門には多彩な企業が登壇し、それぞれのビジョンと技術を発表しました。登壇企業例としては以下のようなスタートアップがありました。
株式会社クォンタムフラワーズ&フーズ
世界初の中性子線育種技術「スピーディー育種」について紹介。地球科学可視化技術研究所株式会社
次世代防災XRシステム「4Dハザードマップ」を提示。農研ワンヘルス株式会社
乳酸菌を活用した個別化ヘルスケア領域の取り組み。株式会社エアメンブレン
グラフェンを基盤とした半導体材料の可能性。SPHinX株式会社
途上国でも利用可能な感染症スマート診断キット。合同会社NeuralX
AI解析で持続可能な次世代養殖を実現するソリューション。株式会社エンドファイト
共生菌「DSE」によるグリーン産業共創エコシステムの構築。
これらの企業は、深い技術的基盤や社会課題解決への強いモチベーションを持ち、事業化・社会実装に向けたロードマップを示していました。
2. 参加体験と学び
今回のイベントでは、他の登壇チームの発想の多様性と、課題設定の具体性、そしてそれを事業につなげる戦略構築の丁寧さに、強い刺激を受けました。特に印象的だったのは、自社の技術やサービスの理念を明確に伝えるだけでなく、投資家や事業パートナーに向けた価値提案の構造化がいかに重要かという点です。
また、単なるピッチ後の懇談や交流も、異なる視点やネットワークをつなぐ貴重な機会となりました。現場で交わされた意見や視点は、技術開発と事業化を両軸で進めるうえでのヒントに満ちていました。
今後への展望
TCI-VENTURE AWARDは、つくばという研究開発拠点から生まれる深い技術と、それを実装しようとする起業家たちが出会う場として、今後も重要性を増すイベントだと思いました。
次世代の技術が社会課題解決に向けて加速するには、こうした挑戦の場が不可欠であると実感しました。
今回の体験を糧に、私自身も引き続き技術と事業の両面から社会実装を目指し、仲間と共に前進していきたいと強く感じた一日でした。
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