低温メカノ脱硫

2026-03-05

イタリアの企業 Rubber Conversion の創業者・CEO Francesco Di Pierro が、タイヤリサイクルポッドキャストで同社の 脱硫(devulcanization)技術と市場戦略について説明した内容。

主なポイントは以下。

1. Rubber Conversionの概要

設立:2017年

本社:イタリア・ヴェローナ

技術:廃タイヤ(ELT)から再利用可能なゴム原料を作る 特許脱硫技術

生産規模

現在約 3,500トン/年

将来 6,000トン/年へ拡張予定

今後

東欧で工場新設を検討

インドでライセンス契約(2026年稼働予定)

 

2. 技術の特徴

メカノケミカル脱硫(mechanochemical devulcanisation)

  • 低温プロセス

  • エネルギー消費が低い

  • ポリマー分解(depolymerisation)を最小化

  • ゴム鎖を維持したまま硫黄結合のみ切断

重要性能 の実現

  • 高い耐摩耗性

  • 高い耐久性

  • 高荷重条件での性能維持

特に タイヤ用途に適した再生ゴムになる。

 

3. 他の脱硫技術との違い

多くの脱硫プロセス
→ 脱硫率を最大化する

Rubber Conversion
→ 脱硫と分子破壊のバランスを重視

つまり

脱硫を促進

ポリマー破壊を抑制

で結果として

性能劣化が少ない材料になる。

4. タイヤへの使用割合

タイヤトレッドの場合

使用割合内容
約10%EUプロジェクトで実証
約20%Stellantis部品で実証
最大25%一部メーカーで可能

ただし

重要要因

  • ゴム配合技術

  • コンパウンド設計

  • メーカーの経験

再生材料の性能だけではなく、配合技術が成功を左右する。

 

5. Life Green Vulcan プロジェクト

EU資金プロジェクト参加企業

  • Bridgestone

  • Stellantis

  • Rubber Conversion

成果

  • シリカ系PCRタイヤに
    10%再生ゴム導入

  • ラベリング性能劣化なし

これはEU  Euro 7規制(摩耗粒子規制)への対応で重要。

 

6. 製品形態(フレーク)

多くの再生ゴム → シート状

Rubber Conversion → フレーク状

理由

  • 余分な添加剤を不要にする

  • 純度を保つ

  • 有害物質代替というメッセージを守る

 

7. 市場の反応(タイヤメーカーの反応)

プレミアムメーカー

  • 開発に時間がかかる

  • サプライチェーン統合が必要

中国・インドメーカー

  • 導入が早い

  • 差別化材料として評価

理由

  • EVメーカーがサステナビリティを要求

  • OEMタイヤ市場が重要

 

8. 規制環境

欧州の重要規制

  • Euro 7 摩耗粒子規制

  • EUDR 森林破壊規制

Francescoの指摘

EU規制は

  • コストが非常に高い

  • 設計が表面的

  • 何度も延期

という問題がある。

 

9. 今後の戦略

重点

  1. タイヤメーカーとの共同開発

  2. 再生ゴム使用量の増加

  3. インド市場拡大

  4. 東欧工場

  5. ライセンス展開

 

10. 本質的なメッセージ

タイヤ業界の現状

  • 再生材料使用率はまだ低い

  • 5%以上にすると性能問題が出る

Rubber Conversionは

性能を維持したまま再生ゴム比率を上げる技術

として位置づけられている。