車の色と軽自動車

2026-03-19

各国の乗用車の色の構成と、日本の軽自動車に見られる色設定の特異性を整理し、車両構成と市場条件の違いから街の色の印象がどのように生まれるかを検討する。

世界の車の色の基本構造

世界の乗用車の色構成は大きくは似ている。白、黒、グレー(シルバーを含む)の無彩色が多数を占める。メーカーの統計や塗料会社の調査でも、概ねこの三色で全体の七割から八割を占める構造になっている。

色付きの車が存在しないわけではないが、割合は小さい。赤や青が一部を占め、そのほかの色はさらに少ない。結果として、都市の道路風景はどの国でも基本的には無彩色の車で構成される。

簡略化すると次のような構成になる。

白 約30〜40%
黒 約15〜25%
グレー・シルバー 約20〜30%
赤 約5〜10%
青 約5〜10%
その他 数%

つまり各国の違いは「主流の色が異なる」というより、無彩色の比率の微妙な差として現れる。

地域ごとの傾向

地域別に見ると次のような特徴がある。

◇日本
無彩色比率が高い
白と黒が強い

◇中国
白が非常に多い

◇ヨーロッパ
グレーが増加
青が比較的多い

◇アメリカ
白とグレー
SUVの影響で暗色が多い

ただし構造自体はほぼ共通している。白、黒、グレーが中心であるという点は変わらない。

 

日本で色が多く見える理由

日本の街を観察すると、他国よりカラフルに感じることがある。これは統計的な色構成というより、車種構成の違いから生じる。

日本では軽自動車の比率が高い。保有台数の三〜四割が軽自動車である。軽自動車は普通車と異なる販売戦略を取っており、色設定が多い。

・ベージュ
・水色
・ピンク
・黄
・緑

などの色が設定されている車種が多い。さらに屋根色を変えるツートンカラーの設定も多い。

このため、街の中では色付きの車が視覚的に目立つ。無彩色の車は背景化しやすく、色付きの車は記憶に残りやすい。

結果として、日本の街は実際の比率以上にカラフルに見える。

軽自動車の色構成

軽自動車の色構成は普通車と少し異なる。

白 約25〜30%
黒 約10〜15%
グレー・銀 約20%
ベージュ 約10%
青 約10%
その他色 約10〜15%

無彩色が多数である点は普通車と同じだが、色付きの割合が普通車より高い。

 

軽自動車の特異性

軽自動車の色の特徴は次の三点に整理できる。

◇第一
ベージュ系の比率が高い
これは海外市場ではあまり見られない。

◇第二
パステルカラーが存在する
水色やピンクなどの色設定がある。

◇第三
ツートンカラーが多い
屋根とボディの色を分ける設定が一般化している。

このような色設定は、小型車であることや生活車としての用途を背景にした商品設計と考えられる。

結果として、日本の車の色は次のような二層構造になる。

普通車:無彩色中心

軽自動車:色付きが比較的多い

この構造が、日本の街の色の印象を形作っている。

実際の統計では無彩色が多数であるが、軽自動車の存在によって色のバリエーションが視覚的に強調される。