AGV溝設計と駆動配置

2026-02-26

AGVタイヤの溝設計をサイズと駆動配置の観点から整理し、初動空転との関係を検討。

前提整理

初動空転は静止摩擦が立ち上がる前に表面が滑る現象

支配要因
・μ
・駆動輪荷重 N
・起動トルク
・接地長

溝は μ を変える要素
駆動配置は N を変える要素

分けて考える必要がある

 

サイズ別の考え方

小径(φ100〜150)

・接地長が短い
・エッジ数不足になりやすい
→ ピッチ細かく(2〜3 mm)
→ 深さ0.3〜0.6 mm

中径(φ150〜300)

・設計自由度大
→ ピッチ3〜5 mm
→ 深さ0.5〜0.8 mm
→ 横溝+斜め併用

大径(φ300以上)

・せん断距離長い
・ブロック倒れ注意
→ ピッチ4〜8 mm
→ 深さ0.5〜1.0 mm以内

溝深さはトレッド厚の10〜20%以内

 

駆動輪

4輪 前輪駆動

加速時に前輪荷重減少

空転リスク高

駆動輪
・横溝ベース
・ピッチ2〜4 mm
・浅めでもエッジ密度重視

非駆動輪
・摩耗優先
・溝浅くても成立

FWDは溝依存度が高い構成

4輪 後輪駆動

加速時に後輪荷重増

初動は安定傾向

駆動輪
・ピッチ3〜5 mm
・横+軽い斜め

過度な細溝は不要

 

6輪 中央2輪駆動

静止時は荷重分散
駆動は中央のみ

床不陸で中央が浮く場合あり

最も空転が出やすい構成

中央輪
・横溝強化
・ピッチ2〜4 mm
・深さ0.5〜0.8 mm
・エッジ数確保

前後輪
・浅溝
・摩耗優先

中央駆動は溝設計単体では不足することが多い

 

PU材料の制約

・深溝で欠けやすい
・鋭角V底はクラック起点
・ブロック幅3 mm未満は不安定

深くするより細かく刻む方が安全

 

整理

空転限界
最大駆動力 = μ × N

溝で変えられるのは μ
駆動配置で決まるのが N

小径+前輪駆動+中央駆動
この組み合わせは溝依存度が高い

大径+後輪駆動
溝影響は相対的に小さい

溝設計はサイズと駆動配置の組み合わせで再設定する必要がある