制度条件
改造自由度
カスタムホイールという部品は、車両の中では珍しく交換が広く許容されている部品である。
日本の車両制度では、ホイール交換は比較的自由度が高い。主に確認される条件は次のような範囲になる。
・フェンダー内に収まること
・荷重指数の適合
・タイヤ外径の大幅変更がないこと
この範囲に収まる限り、ホイールのデザインやメーカーは自由に選択できる。
一方、ヨーロッパではホイール変更は車種適合の認証が必要になる場合が多い。ホイールごとに車両適合リストが存在し、それを満たさない場合は検査に通らない。
結果として
日本:ホイールは個人が交換する部品
欧州:ホイールは車両設計の一部
という制度条件の差が生まれる。
車両市場構造
軽自動車市場
日本の車両市場には世界的に特殊な要素がある。軽自動車の存在である。
軽自動車では純正ホイールが比較的小径であることが多い。
例
純正:14インチ
カスタム:16インチ
このような変更が外観の印象を大きく変える。
カスタムの入口としてホイール交換が成立する理由になる。
一方ヨーロッパでは、純正ホイール自体が大径化している。
例
・18インチ
・19インチ
・20インチ
さらにデザイン性の高い純正ホイールが装備されることが多い。
そのため交換による視覚的変化が小さく、カスタム需要が大きくならない。
製造構造
デザイン部品
ホイールは構造的にデザイン変更が比較的容易な部品である。
アルミ鋳造ホイールの場合、製造工程は次のようになる。
・鋳造
・機械加工
・塗装
重要なのは鋳造金型である。
ホイール金型は
・リム部
・センターディスク
の構造に分かれる。
外周リムは共通化されることが多く、スポーク形状だけ変更される場合もある。
結果として
デザイン変更
=金型一部変更
という構造が成立する。
この構造により
・同一サイズで複数デザイン
・短期間で新製品
が可能になる。
自動車部品の中では珍しく、ホイールは工業製品でありながらデザイン製品として振る舞う。
制度、車両市場、製造構造。
この三つの条件が重なる場所ではカスタムホイール市場が形成されやすい。日本はその条件が重なる数少ない市場の一つになる。