セミナーの前提
Tire Recycling FoundationとU.S. Tire Manufacturers Associationが開催したウェビナー
「From Tires to Everyday Products: The Growing Market for Commercial Products Made From Recycled Tires」
テーマは、使用済みタイヤ由来のゴム粉(ground tire rubber)を使う成形品・押出品市場。
参加者は、Liberty Tire Recycling、Preer Tread、Safe Path Products、Ecore Internationalの関係者。
議論の前提として示された数字
・米国では廃タイヤの約28%がゴム粉用途
・最大の用途は舗装だが、成形品市場も拡大中
対象製品
・床材
・マット
・交通バリア
・園芸資材
・建材
・自動車部品
日常空間で使われる製品群が中心。
成形品市場の条件
議論の出発点は、なぜタイヤ由来ゴムが成形品市場に適合するのかという点だった。
挙げられた条件
・供給量が非常に多い
・重量製品で価格競争力が出る
・弾性、衝撃吸収、防滑性がある
つまり、リサイクル材料だから採用されるのではなく、
ゴムとしての性能が用途に合うため採用されるという整理。
製品ごとの性能
Safe Path Products
・高齢者用スロープ
・滑り抵抗性能
Preer Tread
・道路バリア
・衝突エネルギー吸収
Ecore
・スポーツ床材
・衝撃吸収と反発のバランス
・音響特性
共通しているのは
「材料性能 → 製品用途」という順序。
市場拡大の制約
拡大を止めている要因も整理されていた。
主な制約
・細粒ゴム粉の供給不足
・地域ごとの物流制約
・処理設備投資の高さ
タイヤ自体は大量に存在するが、
製品用途に必要な粒径・品質の材料を安定供給できる地域は限られる。
制度の影響
州ごとの制度差も大きい。
例
・コロラド州
循環経済と地域雇用を組み合わせた支援制度
・カリフォルニア
処理設備の許認可が難しい
廃棄物政策だけでなく、
地域経済政策として設計されているかどうかが市場形成に影響している。
素材市場としての整理
議論全体で繰り返されたポイント
・性能
・価格
・供給
・制度
この4つがそろったときに市場が成立する。
再生タイヤゴムは
廃棄物処理の出口ではなく、
用途特化型の素材市場として扱われ始めている。
臭気低減、表面コーティング、複合化などの技術開発も
その方向に沿った動きだった。
成形品市場は、
「廃タイヤを使う市場」ではなく、
「ゴム特性を使う市場」として整理されていた。