廃タイヤを電池材料へ

2026-03-05

廃タイヤを電池材料へ転換する技術

シリコンバレーVC系メディア「Draper Founder Spotlight」での

チリのスタートアップ T-Phite 創業者・CEO Bernadita Díazの話。

テーマは廃タイヤを電池材料へ転換する技術。

廃タイヤから炭素材料を取り出し、
リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池のアノード材料へ利用する構想が説明される。

背景は二つの問題

・廃タイヤ処理問題
・電池材料供給の偏在

対談では、この二つの課題が同時に存在している点が強調される。

 

創業の経緯

Bernadita Díazは機械系のバックグラウンドを持つ。
ドイツで技術研究を経験した後、タイヤ業界に関わるコンサルタントとの接点から廃タイヤ問題を知る。

その後
タイヤ産業の知見
グラフェン研究
材料科学

この三つが重なり、T-Phiteの技術開発が始まったという流れ。

 

廃タイヤリサイクルの構造問題

対談で繰り返される論点は「材料の追跡性」。

タイヤはメーカーごとに配合が異なる。
市場が開放的な地域では多ブランドが混ざる。

結果として原料が均質化しない。

メモ

・タイヤ配合は非公開
・ブランドごとに化学組成が異なる
・回収段階で混在する

欧州では特定ブランドだけを受け入れる回収が可能な場合がある。
しかしラテンアメリカではそれが難しい。

そのためリサイクル材料の品質が安定しないという指摘。

材料化工程

T-Phiteのプロセスは複数工程。

メモ
・cleaning
・activation
・integration
・graphitization

最初の工程は原料の均質化。

多ブランド由来の炭素材料を整理し、
次工程で分子構造を再配列するという説明。

 

電池材料としての位置

当初の構想は黒鉛の完全代替。

しかし市場要件を満たしにくく、
戦略が変更された。

現在は既存黒鉛に混ぜる 添加材。

・完全代替 → 添加材
・電極性能の改善
・産業テスト段階

用途として挙げられる分野

・リチウムイオン電池
・ナトリウムイオン電池
・スーパーキャパシタ

 

電池材料と地政学

対談では供給構造にも言及。

電池用黒鉛は特定地域への依存度が高い。
供給が集中すると地政学リスクが生じる。

そのため廃タイヤ由来炭素は
・循環資源
・供給分散
・材料代替

という三つの意味を持つ。

廃タイヤ問題は廃棄物処理の話だけではなく、
材料供給構造の議論として現れる。