欧州タイヤ粉じん規制の準備状況

2026-02-22

前提整理:

・EU側枠組みは European Commission によるEuro 7
・技術規則は UNECE WP.29
・試験法はUN R117改訂で導入済み
・限度値はWP.29内で最終調整段階

 

1. すでに確定している条件

測定単位
mg/km/t
荷重補正付き距離当たり質量損失

試験法
・オンロード 約8000 km
・ドラム 約5000 km

 

2. いま変動している部分

論点は三つ。

① 限度値水準
市場データ分布のどこでカットするか。

② 試験法の同等性
オンロードとドラムの換算係数。
参照タイヤ依存性。

③ 適用スコープ
C1から開始。
C2、C3は後段。

 

3. 時間軸

車両側
2026年11月 新型式
2027年11月 全新車

タイヤ単体
C1 

2028年前後 型式認証開始
販売制限はさらに後段

制度としては確実に導入方向。
限度値の数字のみ未確定。

C2
型式認証適用 想定 2030年前後
販売制限 2032年前後

C3
型式認証適用 想定 2032年前後
販売制限 2034年以降

いずれもC1より約2年刻みで後段。

 

4. 設計への制約

摩耗は性能項目の一つではなく、上限拘束になる。

影響領域

・トレッドポリマー選択
・フィラー分散
・可塑剤量
・動的弾性設計
・摩耗抑制添加剤

単純な高硬度化では解決しない。
転がり抵抗、ウェットとの三立構造。

 

5. 産業側の必要条件

・mg/km/tの自社データ蓄積
・両試験法での相関把握
・参照タイヤとの差分評価
・ロット間再現性

規制は思想ではなく数値。
測定再現性が最終的な競争軸。