鉄道跡地公園事例

2026-02-26

鉄道廃線跡を公園や緑道へ転用した国内外事例を整理し、制度条件や空間特性、経済性の観点から構造的に検討。

鉄道廃線跡の公園化は、線状の公共空間を既存ストックから再編する試み。
用地取得コストが比較的抑えられ、連続性のある動線が確保される点が特徴。

主な事例

碧南レールパーク(愛知県)

・旧三河線跡地 約2.3km
・緑道+広場+遊具
・レールや車輪をモニュメントとして保存
・防災動線機能を付加
・線状公園として段階整備

都市縁辺部における細長い公共空間の再利用例。


一之宮公園(神奈川県寒川町)

・相模線旧支線跡
・地区公園として再整備
・鉄道遺構の一部保存
・住宅地内のオープンスペース化

短距離支線の転用事例。


春海橋公園(東京都)

・臨港鉄道橋梁の転用
・橋梁構造を遊歩道化
・水辺景観と結合
・構造物保存型再生

インフラストラクチャーをそのまま都市景観資源へ転換。

海外事例

クーレ・ヴェール(パリ)

・高架鉄道跡 約4.7km
・線状緑道
・住宅地と商業地を縦断
・高架下も商業利用

都市内部での立体的再利用。


ハイライン(ニューヨーク)

・高架貨物線跡
・デザイン性の高い植栽
・観光資源化
・不動産価値への波及

都市再生と民間主導の組み合わせ。


制度・計画上の観点

・用途地域との整合
・所有権整理(JR・私鉄・自治体)
・土壌汚染の有無
・防災機能の位置づけ
・維持管理主体の設定
・周辺地価変動

線状空間のため、通常公園より管理距離が長い。


空間特性

・平坦で勾配が緩い
・連続性がある
・幅員が限定的
・踏切・橋梁が点在
・周辺住宅との距離が近い

交通インフラ特有の線形がそのまま都市構造に組み込まれる。


経済性の整理

初期整備費
既存路盤活用で造成費は抑制可能
ただし舗装・照明・安全対策費は発生

維持管理費
草刈り・舗装補修が継続的負担
延長距離が長いほど累積

波及効果
沿線不動産価格上昇例あり
観光利用がある場合は外部経済効果


検討ポイント

・公園単体か、緑道ネットワークの一部か
・観光型か生活型か
・鉄道遺構を残すか撤去か
・防災軸として位置付けるか
・自転車優先か歩行者優先か

鉄道跡地は都市の「細長い余白」。
公園化は空間の再解釈であり、単なる緑化ではない。