白タク規制と移動制約

2026-02-22

0.観察

・地方バス停
・高齢者が待機
・自家用車が数十台通過
・乗車は発生しない

制度前提:

・自家用車による有償運送は禁止
・許可制タクシーのみ営業可能
・需給調整は事業免許で管理

結果:

車両は存在するが移動は成立しない状態が発生する。

 

1. 制度構造

白タク規制の主眼の一つ。

・不当運賃請求防止
・身元不明運転者排除
・暴力行為抑止

制度設計は対面取引、現金決済、匿名性を前提として構築されている。

目的:

・安全担保
・運賃秩序維持
・既存事業保護
・責任主体の明確化

移動の可否は市場ではなく免許構造で決まる。

 

2. 技術環境の変化

現在の配車プラットフォーム構造。

米国

  • Uber
  • Lyft

中国

  • DiDi
  •  

特徴:

・アプリ事前決済
・料金事前提示
・GPS全行程記録
・双方向レビュー
・運転者KYC
・利用者アカウント固定

匿名性は低い。履歴は保存される。

制度が想定する犯罪前提と、現在の技術環境には差がある。

ただし、リスクはゼロではない。

・虚偽登録
・アカウント貸与
・監督体制限界

 

3. 地方における現象

・バス本数減少
・タクシー車両減少
・免許保有高齢者増加
・夜間移動困難

可動車両はある。
だが制度上、動員できない。

都市部では供給過多。
地方では供給不足。

規制は地域条件により作用が変わる。

 

4. 制約の所在

物理制約ではない。

・道路はある
・車両はある
・運転可能者もいる

制約は制度。

有償性の線引きが移動機会を固定する。

「有償」の定義が移動の可否を決める。

 

5. 経済的視点

白タク禁止
→供給制限
→都市部では価格維持

地方では逆。

供給不足
→待機時間増加
→利用断念
→潜在需要消失

価格が高いのではなく、供給が存在しない時間帯がある。

 

6. 交通弱者

対象:

・免許返納者
・高齢単身者
・夜間移動者
・通院需要
・買い物弱者

選択肢:

・家族依存
・ボランティア輸送
・自治体デマンド交通
・自転車
・徒歩
・我慢

移動が成立しない時間帯が存在する。

 

7. 観察の意味

バス停で待つ人。
その前を通過する自家用車の列。

これは交通インフラ不足とは限らない。
制度と実需の不整合。